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歯医者の通信簿

コラム

2023/02/18

歯科治療は、患者様にとって大切な時間を治療時間として費やし、治療費や交通費も掛かります。歯科治療の全てが終わると「ホッ」とします。
しかし、患者様の治療の処置すべての終わりが、終わりではないのです。
例えば「はい、○○様、今日で歯科治療はすべて終わりました。よかったですね。」普通は、これで歯医者通いから解放されると思われる患者様が多いと思います。私も患者様の立場なら同感です。しかし、ここからが歯科医院と患者様のお付き合いの始まりなのです。

治療した歯が、再度虫歯にならないか?歯周病が悪くならないか?歯や詰め物や被せ物が割れないか?根管治療した歯の状態確認、噛み合わせの確認、くいしばりや歯ぎしりの有無、顎関節や筋肉の状態などチェック項目が多数あります。

私は、勤務医時代が約13年と長かったので、他院で多くの臨床経験を積んできました。
その理由もあり他院で私が歯科治療した患者様が、遠方から当院へお越し下さることもよくあります。
15年~20年以上前に私が処置したインプラントやセラミック修復治療が何の問題なく機能していると安心します。
私が今まで勉強してきたことが結果として生かされたことが何よりの喜びです。
また、当院で私が行った治療も10年以上のケースも増え、特に自由診療で行ったケースのメンテナンスは、「私自身の治療技術の通信簿」だという心構えをもっています。
口腔内のような過酷な環境では、歯やその周りの組織、修復した人工物などは、壊されていく傾向にあります。そして壊されていくと口腔内の細菌感染のリスクも高くなります。もちろん、それを予防していくことが重要です。しかしその壊されていく傾向があれば、それを即座に捉えて、歯科治療を介入するタイミングを捉えることも、メンテナンスで必要な項目です。
優秀な歯科衛生士のメンテナンスであれば、単に歯垢や歯石の付着や歯肉の状態の確認だけなく口腔内の異変に気づくことが出来ると思います。
また、歯科医師のチェック機能がしっかりしていると、患者様の口腔機能の維持も長持ちさせることが出来ます。
後は、患者様が、ご自身の口腔内ケアーの大切さにどれだけ関心が向けられているか。歯科医院との信頼関係がどれだけ築かれているかで将来的な結果が変ってくるのではないでしょうか。

「私が考える歯医者の通信簿」は、治療の仕上がりや出来映えだけでなく中長期的にその治療を長持ちさせることが出来るかどうかだと考えます。

通信簿は、私の考えにおける歯科評価なので自分自身に対する成績表なのです。




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